1年生のときに、物理基礎の内容でやっていないところ(弦の振動・気柱の共鳴)についてです。
まず、弦の振動や気柱の共鳴を理解するのに、波の反射を分かっておかないといけません。波の反射には2種類あったのを覚えていますか?
波の反射
1 自由端による反射
媒質が自由に振動できる端を自由端という。自由端では波の山が山のまま反射される。
2 固定端による反射
媒質が振動できない端を固定端という。固定端では波の山が反転して谷となって反射される。
たとえば、AとBが縄の両端を持って、AからBに波を作るとする。このときにBが縄を持っているところは”固定端”(媒質である縄はBの手で捕まれていて自由に動けないから固定端)である。ここで反射すると波の山は反転するので、谷となって伝わる(固定端反射)。
今度は、堤防で波が反射するのを考えてみよう。この場合、波の媒質である海水は、堤防に対して自由に動くことができるので”自由端”であり、自由端反射をする。堤防で跳ね返る瞬間は、入射波と反射波が合成されて大きな波となるので危険です。
では、音の反射についてはどうだろうか。音が壁で反射する場合、媒質(空気)は壁に固定されている訳ではないので、自由端反射するように思えます。しかし、音は縦波であり、波の進行方向を図の右と考えた場合、媒質の振動の方向は左右方向です。媒質である空気は壁に対して左右方向には自由に動けませんよね(上下なら動けそう・・・)。だから、固定端反射となるのかな??
実はもっと深い問題で、気になる人は検索してみてください。2017年の大阪大で追加合格が出たのはこの音の反射に関する問題のせいでした。
定常波
下のアニメーションを見てください。左から来た青い波と右から来た緑の波がぶつかり、その合成波は赤で描いてあります。赤い波は見た目波形が進まない波で、定常波(定在波)といいます。このように、同じ波長、周期、振幅が等しい波が逆方向からぶつかり合うと、定常波ができます。
このとき、最も変位が大きくなる場所を「腹」、ずっと変位が0の場所を「節」と言いました。上の図だと、x座標が奇数のところは節、偶数のところは腹になっていますよね。
では、どのようなときに定常波ができるか・・・
連続波が壁で反射する場合なんてどうでしょう。反射波はもちろん、入射波と同じ波長、周期、振幅です。これが入射波と逆向きに進んでいくのだから、定常波ができる条件になっていますよね。
このように定常波ができる「弦」と「気柱」の場合について、特に詳しくやっていきます。
弦はギターとかバイオリンとかそんなんです。気柱は笛とかですね。
ではまた。(4/20)
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